ハラスメントの問題と向き合うために

ハラスメントの問題については、介護サービスの質を確保するうえで早急に解決すべき問題の一つとして扱われることがあります。

特に、入所型のグループホームや老人ホームなどの施設では、職員から利用者に対する暴力や暴言などのハラスメントが蔓延しやすい環境にあり、施設全体で問題解決に取り組むことが重要です。また、介護業務の経験が少ないスタッフが多い現場では、施設長などの責任者の目の届かないところでハラスメントが行われることもあるため、日ごろから管理職は、一人ひとりのスタッフと面談をして仕事上の悩みやストレスについて聞き取りをすることも必要だと言われています。

ちなみに、地域内に数多くの施設を運営している社会福祉法人や株式会社などでは、定期的に外部の講師によるハラスメント防止研修を実施しているところも出てきているそうです。このことからも、職員による利用者へのハラスメント防止の重要性と、関心の高さを伺うことができます。

そうした中、介護士がハラスメントが起こりにくい環境で働こうとした場合には、賃金や勤務時間、業務内容などの労働条件だけでなく、職場内の雰囲気にもこだわって職場選びをすることが大事だと思います。例えば、就職活動の際には求人票を確認するだけでなく、積極的に色々な施設の見学をして、現場のスタッフの働きぶりやコミュニケーションのポイントを比較するという方法があります。

さらに、ハラスメントの件数が少ない施設の取り組みについて調べたり、自主的にハラスメント防止に関する勉強会や座談会などに参加をしたりすることも大切です。現場で起っているハラスメントの実情を知り、その防止方法を学べば、自ずと質の高い介護を行っている施設を見極めるコツも身につくのではないでしょうか。